【保存的療法】運動療法
ここでは、頚椎椎間板ヘルニアの保存治療で行われる運動療法についてまとめています。
運動療法とは
運動療法は手術を行わない保存療法のひとつで、自宅でも簡単にできる治療です。軽度の頚椎椎間板ヘルニアであれば、運動療法で簡単に治ります。痛みの急性期を過ぎたら運動療法を行い、首の筋肉と骨の状態を強化するストレッチを行なうことが効果的。痛みを和らげるだけでなく、頚椎椎間板ヘルニアの再発防止としても効果的な治療となっています。ストレッチの頻度としては、毎日行なうことが望ましいとされているようです。
運動療法が適したタイミングはいつ?
運動療法はリハビリ後ある程度痛みがおさまり、医師の指導の元で運動療法を行ないましょう。運動療法は痛みやしびれを改善することが目的であり、再発につながるリスクの予防にはつながることはありません。手術後安静にしていると筋力が落ちてしまうので、痛みがおさまり、ある程度体を動かせられるようになったら、なるべく早く始めると良いでしょう。
ただし、少しでも痛みがある場合は医師と相談し、場合によっては安静にしておく必要があります。
運動療法のメリット
頚椎椎間板ヘルニアの予防をすることができる
ヘルニアの原因となるのは「長時間固定したまま同じ姿勢でいること」や「本来の骨格に対して不自然な姿勢(前かがみ)になっていること」があげられます。過度な負担を頚椎にかけてしまっているために引き起こされるのです。そのため、ヘルニアになる前に適度に首を回したりするなどのストレッチをすると、ヘルニアをはじめとした病気を防ぐことができます。
適度な運動は再発防止&痛みを軽減する効果がある
適度な運動をすることで、周りの筋肉や頚椎への負担を軽減することができます。じっと安静にしているよりも、適度に動いたほうが頚椎椎間板ヘルニアの再発防止のための筋肉が鍛えられ、血行促進の効果もあります。
運動療法のデメリット
頚椎椎間板ヘルニアと診断された場合はストレッチNG
首の痛みが強いときにストレッチや首を動かす動作はやめましょう。頚椎椎間板ヘルニアと診断された場合は、安静治療が基本です。首の痛みを解消しようと、むやみに動かしてしまうと症状が悪化してしまいます。特に、首を後ろにそらせるような動作は症状を悪化させてしまう可能性が高いので注意しましょう。
ストレッチや運動方法を間違えてしまうと悪化させてしまう
頚椎椎間板ヘルニアの症状が落ち着いた後は、ストレッチなどの運動療法で再発防止につとめます。その際に注意したいのが、自己判断でのストレッチはNGだということ。必ず医師の診断を受けてから行ないましょう。正しい方法は、首そのものではなく、肩回りや腕の筋肉をほぐすための運動やマッサージです。周りの筋肉を刺激して血行を良くすることで、痛みなどの症状が楽になります。
運動療法の治療の流れ
- 運動療法は、頚椎椎間板ヘルニアの初期症状や予防に効果のある療法です。日頃から意識して首のストレッチを日常生活にとり入れるようにしましょう。もし、ストレッチをしても改善されない・痛みが増すなどの異変を感じた場合には「首を後ろにそらす」という動作は厳禁。すぐに神経内科や整形外科の医師の診察を受けましょう。
- 医師の診断を受けて頚椎椎間板ヘルニアと診断された場合には、医師の指示に従って、安静療法をはじめとしたその他の保存的療法に取り組みましょう。運動療法は症状の進み具合によって、行なわない方がいいこともあります。
- 頚椎椎間板ヘルニアが回復した後は、再発防止や予防のために運動療法やストレッチをとりいれましょう。この場合にも医師の診断や指示に従って行なうことが大切です。あまりにも激しい動きは逆に症状を悪化させてしまう可能性が高まります。
運動療法を紹介
首がまっすぐになっている状態(ストレートネック)を解消する体操
- 背筋を伸ばした状態で前に伸ばします
- その状態を保ち、肩甲骨より前に押し出すように手を伸ばして20秒間キープします
- 肘を後ろに引いて、20秒間キープ。手が下がらないように注意
- 少し手を前に戻し、手のひらを正面に向けます。その状態を20秒間キープします。
首がまっすぐになっている状態(ストレートネック)を解消する体操(タオルを使った方法)
- タオルを首にかけます
- タオルを前に引っ張り、頭は後ろに引いた状態にします
- 顎を引き、その状態を20秒間キープします
頚椎の原因は脊柱(背骨)が原因である場合もあります。普段の悪い姿勢も影響してきますので、姿勢を正す運動は効果的です。
治療を受けた人の口コミ
- ストレッチを続けたら痛みがみるみる緩和され、ほとんど痛みがない状態になりました。(女性)
- 毎日のエクササイズを続けたおかげで頚椎の痛みがなくなり気持ちも前向きになりました。(男性)
- 背中を痛めたため、病院で検査を受けたところ、首のヘルニアと診断されました。リハビリ治療を取り入れていますが、少しも改善された感じがなく、腕全体が痺れた状態が続いています。このままリハビリを続けても解消する見込みはないと思います。
- 加齢のせいか、1年前から頸椎ヘルニアと診断されました。度々仕事中に痛みが生じ、とても憂鬱。医師のすすめでタオルを使った運動療法を教えていただきましたが、今のところ効果を実感できていません。これは手術しないといけないのでしょうか。
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運動療法の注意点
自宅でも手軽にできる運動療法ですが、始める時には事前に頚椎椎間板ヘルニアを診てもらっている医師に相談してから行うようにしてください。
一日にどれくらいの運動量で、どの程度の負荷まで大丈夫なのか確認して無理のない範囲で運動するようにしましょう。
治療方法
筋力強化運動
負荷がかかりすぎないように頚椎周辺と全身をバランスよく動かして症状の原因である背骨のゆがみや血行不良を改善します。ウォーキングのような軽い運動も効果的です。毎日継続して行うようにしましょう。
ストレッチ
以下のような首回りを中心としたストレッチをそれぞれ10回くらい行います。
- おでこに両方の手のひらを押し当て、同時に頭を前に曲げて押し合う。
- 後頭部に両方の手のひらを押し当て、頭を後ろに倒して押し合う。
- 首を片側に倒して肩にできるだけ近づけ首の筋を伸ばして数秒間そのまま維持する。右側も左側も同様に行う。
- 息を吸いながら顎を首につけるようにして頭を前に倒し、息を吐きながら元に戻す。
- 頭を正面にやや倒して反動をつけずにゆっくりまわす。頭を後ろに倒しすぎないようにして右回り左回り同様に行う。