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【手術】顕微鏡視下手術(MD法)治療

顕微鏡視下手術(MD法)について治療方法やメリット・デメリット、治療の流れから費用についてまで紹介します。

顕微鏡視下手術(MD法)治療とは

顕微鏡視下手術(MD)治療は、全身麻酔を用いて行う治療です。患者の頚部付近を切開し、ヘルニアを摘出します。その際に顕微鏡を使用するため、患部を拡大して手術を行うのが特徴です。一般的に手術時間はおよそ2時間前後、入院は2週間前後とされています。

顕微鏡視下手術(MD法)治療のメリット

傷跡が小さい

4cmほど切開して治療を行う顕微鏡視下手術。5cm以上切開する場合があるLOVE法と比べて、傷跡の範囲を小さいのが特徴です。筋肉や組織に与えるダメージが抑えられるうえ、小さい分傷跡が目立ちにくなります。

また、傷跡を抑えることで神経へのダメージを軽減できるのがメリットです。神経を傷つけるとしびれや痛みが残るリスクが少なからず存在します。切開による治療では骨を削るケースもあり、その時に神経を横へよける必要が出てくるのです。これによる神経の障害は回復しやすいとされていますが、障害が残る可能性も否定できません。顕微鏡視下手術では、切開手術と比べて切開範囲が小さいため、その分神経へのダメージを抑えられるでしょう。

感染リスクを抑えて手術ができる

顕微鏡視下手術は、体へのダメージだけでなく感染リスクも抑えられます。切開する範囲が小さいことにより、菌が傷跡から入る可能性を軽減できるでしょう。

手術には少なからず感染症リスクがあり、食道や頚動脈の損傷、脊髄や神経の損傷などの発症が懸念点です。まれなケースとして、静脈に血栓ができる深部静脈血栓症や肺炎を発症する可能性もあります。

顕微鏡視下手術は顕微鏡を使って治療を行うため、細部まで確認できるのがポイントです。神経や血管など、さまざまな部分を拡大して慎重に進めるので、その分頚動脈や神経の損傷などのリスクを軽減できます。

ヘルニアだけでなく合併症にも対応できる

顕微鏡視下手術であれば、首だけでなく腰のヘルニアにも対応できます。その他にも、下肢に痛みを起こす「すべり症」や手に痺れを感じる「脊柱間狭窄症」などの合併症の治療もできるのがメリットです。また、健康保険が適用されるのもポイントです。合併症があると診断された、金銭的負担を減らしたいという人向けと言えるでしょう。

顕微鏡視下手術(MD法)治療のデメリット

内視鏡下椎間板摘出術(MED法)と比べて傷跡がやや大きくなる

切開する範囲は小さいのですが、同じヘルニア治療であるMED法と比べた場合、切開範囲の長さに2cmほどの差があります。内視鏡下椎間板摘出術の場合は2cmほど切り開いて手術を行いますが、顕微鏡視下手術の場合、およそ4cmほどと倍の大きさを切開しなければいけません。大きく切り開くからこそより確実に治療しやすくなりますが、傷口を目立たなくしたい患者にとってデメリットに感じるでしょう。ただ、この点はあくまでも「MED法と比べて」のデメリットです。医師の技術力や症状によっては、切開範囲を抑えることが可能でしょう。

医師の力量によって変わる

顕微鏡視下手術は、医師の技術力によって左右される手術です。実績も豊富な医師と経験不足の医師では、同じ設備を使った手術であっても結果が大きく異なるでしょう。医師もいわば技術職になりますので、実績が豊富で何度も顕微鏡視下手術を行っている医師であれば治療に期待ができます。しかし、慣れていない医師が手術を担当する場合、傷口が広くなってしまったり、上手く切除できなかったりといったデメリットも考えられるでしょう。

病院を見つけにくい

一定の技術力を必要とする手術なので、受けられる病院が限られます。住んでいるところによっては、病院選びや通院に時間がかかってしまうでしょう。顕微鏡視下手術を受けたいと思っても対応してくれる病院が見つからず、他の治療を受けざるを得ない、あるいはかなりの遠方まで足を運ばなければならない可能性があります。予算や在籍する医師の実績を確認したうえで、手術を受けるかどうか身長に決めることが重要でしょう。

運良くMD法を行っている病院が近くにあれば、直接相談してみるのがおすすめです。医師がどのように対応してくれるのか、メリット・デメリットをしっかりと説明してくれるのかを確認しておきましょう。しっかりとこちらの質問に答えてくれる医師であれば、患者のことを考えているといえます。

患者によっては、MD法以外の治療を勧められるかもしれません。治療を受けるうえで大切なのは、「どのような治療を受けるのか」ではなく、「症状を改善できるのか」です。治療方法はあくまでもプロセスなので、MD法やそれ以外の方法などから、自分に合った治療を選択する必要があります。

顕微鏡視下手術(MD法)治療の治療の流れ

まずはCTやMRIによる撮影を行い、その後手術を行います。手術後は点滴を行いながら、コルセットを装着した状態でのリハビリを実施。入院期間が終われば退院となります。手術から退院までは個人差がありますが、目安は1~2週間です。

費用の目安

顕微鏡視下手術(MD法)治療の費用

保険適用でおよそ15万円~30万円が相場とされています。

顕微鏡視下手術(MD法)治療の入院費用

保険適用治療に入院費用が加算されます。一週間程度の入院であれば25~40万円程度となりますが、相部屋か個室か、その後体に問題はないのか、入院日数が伸びたかなどによって費用は変動します。

顕微鏡視下手術(MD法)治療の保険適用と費用

顕微鏡視下手術は保険適用治療となり、15万円から30万円程度での治療となります。

手術を受ける際の注意点

顕微鏡視下手術を受ける際には手術件数や成功事例など、明確な根拠を提示できる病院での治療が好ましいです。医師の力量はもちろんですが、患者にどれだけ親身に接してくれるのかなど、総合的に判断して自分の体を任せる医師・病院を決めましょう。何より大切なのは、「良い状態に戻れるのか」という点です。治療技術はもちろんですが、患者のことをどれだけ考えてくれるのか。治療方針だけではなく、ライフスタイル等まで心配してくれる医師・病院を選ぶと良いでしょう。