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【手術】内視鏡摘出手術治療

ここでは、頚椎椎間板ヘルニアの内視鏡手術について紹介しています。

内視鏡摘出手術治療とは

首の斜め前から内視鏡レーザーを挿入し、神経を圧迫しているヘルニア部分を除去できる内視鏡摘出手術治療。中度~重度のヘルニアに効果がある手術であり、従来の切開手術とは違い、数ミリ単位の切開で済みます。大部分の椎間板組織を保存しながら行なう最新鋭の治療であり、患者さんへの負担が少ない治療です。しかし、食道や気道という体の中でも重要な部位にかかわる手術になるので、クリニック選びや担当医選びが何よりも重要といえるでしょう。「PECD(Percutaneous Endoscopic Cervical Discectomy)」とも言われており、日本では「経皮的内視鏡下頚椎椎間板ヘルニア摘出術」とも言われている手術です。

内視鏡摘出手術治療のメリット

傷跡が小さくて目立たない

PECD(内視鏡摘出手術)は、首の斜め前から内視鏡とレーザーを挿入する手術です。その際、挿入するために、皮膚を切開する範囲は4~7mmほど。ミリ単位の切開になるので、傷口は最小限で抜糸も不要です。傷口も小さなものなので、手術後の細菌感染などの心配もありません

体への負担が最小限で済む

レーザーで原因となる部分のみを除去するため、切開部分が最小限に済みます。さらに正常な椎間板は保存することができるので、従来の切開施術と比べて人間が本来もっている自然治癒力による回復を期待できます。また術後に別々の器官や組織がくっついてしまう「癒着」の可能性が低いため、安心して治療に臨めるでしょう。

内視鏡摘出手術治療のデメリット

医師の技量によって手術結果が大きく左右される

内視鏡摘出手術の治療は、頸動脈や気管、食道など体にとって重要な部位を避けて行なう手術のため、高い技術が必要です。技術が未熟な医師が執刀した場合、頚動脈や気管、食道などを傷つける重大な事故が起きる可能性もあります。内視鏡摘出手術を受ける際には、担当医の経歴やクリニック選びが何よりも重要でしょう。

健康保険の適用外の自費診療になる

自費診療となるのでクリニックによって異なりますが、手術費用は120~130万円ほど。未承認の手術器具を用いるため、高額な費用を必要とします。ヘルニア手術は症状の度合いに応じて異なりますが、この手術は「骨棘のない中心性頚椎椎間板ヘルニア」にしか手術の適用がなく、症状が進んでいる場合には、他の手術が検討されます。

内視鏡摘出手術治療の治療の流れ

  1. ヘルニアの保存療法で効果がなく、手術療法が良いと判断された人の中でも、症状のレベルが中度~重度のヘルニアの場合に手術が受けられます。この手術は、医師の技量により手術結果が大きく左右される治療です。そのため医師選びやクリニック選びが何よりも重要になります。自費診療となるので、手術費用は医療費の控除といった制度を使うことも検討しておきましょう。
  2. 手術の適用があると判断された場合に手術を受けます。PECDは全身麻酔が基本となります。翌日退院も可能です。レーザーの照射による痛みは最小限。痛みや熱さを感じない程度の照射となります。クリニックによっては、MRIなどの画像診断を行います。
  3. 手術後は、頚椎カラーで首を固定しての退院となります。事務作業をはじめとする軽作業でも、術後1週間は控えるようにしましょう。万が一、しびれが残った場合は、すみやかに医師に相談してください。

内視鏡手術の種類

miniPECD(経皮的内視鏡下頚椎ヘルニア摘出術)

手術方法の一例

従来のヘルニア手術は頚部付近を切り開き、ヘルニアを摘出するものでした。いわゆる「LOVE法」と呼ばれているものです。目視による摘出のため確実性が高い一方、視野の確保のために傷口を開いて骨を削らなければならないケースもありました。患者の負担が大きく、手術から社会復帰まで時間を要する点がデメリットです。

miniPECDは、切開範囲を抑えた治療が特徴です。内視鏡を入れて、モニターを見ながらヘルニアを摘出します。

手術のメリット

回復までの期間が早い

miniPECDの切開範囲は約8mmなので、LOVE法と比べて傷口が狭いです。筋肉の損傷も少なく、術後の回復が早いというメリットがあります。患者によっては手術直後からの歩行や翌日の退院も可能です。LOVE法の場合、一週間から二週間の入院が必要な点を考えると、miniPECDは早く仕事に復帰したい人に向いている手術といえるでしょう。

局所麻酔なのでリスクが低い

麻酔は合併症のリスクがありますが、miniPECDの場合局所麻酔なので全身麻酔と比べて麻酔リスクを抑えられます。

手術のデメリット

取り切れないヘルニアもある

miniPECDは切開箇所に鉗子(ハサミの形をした手術器具)を入れ、モニターを見ながらヘルニアを取り除く手術です。堅いヘルニアだと、鉗子で取り切れないリスクがあります。無理に取ろうとすると鉗子が曲がってしまうようなヘルニアの場合、LOVE法など他の方法で対応しなければいけません。

医師の力量次第な面もある

miniPECDは医師の力量が試される手術です。取り切れないヘルニアもありますが、取れる取れないの判断は医師が決めます。医師によってどう対応するか変わる可能性があるため、実績のある医師に相談することが大切です。

PECF・MECF(内視鏡下頚椎椎間孔拡大術)

手術方法の一例

首の後ろに数mmの穴を開け、内視鏡を挿入します。神経を圧迫しているものを取り除くと共に、神経の「通り道」とも言うべき椎間孔を拡大するのが特徴です。肩から手にかけての痺れや痛みの軽減を図ります。

手術のメリット

傷跡の範囲と痛みを抑えた治療が可能

PECF・MECFはヘルニアを取り除く際に開ける穴が1cmにも満たないため、体への負担を抑えられます。数cmもの傷跡ができ、筋肉を剥離させるためダメージが残るLOVE法と比較して痛みは軽減されるでしょう。翌日の退院も可能なので、社会復帰もしやすいのがメリットです。また、内視鏡によって行われる手術のため、抜糸や消毒ガーゼ交換に必要な時間を短縮できます。

術後癒着のリスクを軽減

PECF・MECFは神経に接触する手術ではないため、術後に癒着が起こるリスクを抑えられます。術後癒着とは神経の周りで起こる症状で、痛みや痺れを引き起こすのが特徴です。術後癒着が起きた場合、再手術による治療が必要となります。PECF・MECFであれば傷跡の範囲や体への負担を抑えられるため、その分術後の癒着も防止できるでしょう。

手術跡が目立たない

PECF・MECFは小さな穴に内視鏡を入れます。切開する範囲は1cmにも満たないため、術後は手術跡が目立ちにくいのがポイントです。従来の切開治療の場合、数cmほど切開するのでどうしても目立ってしまいます。場合によっては、骨を削らなければならないケースもあるのが難点です。反面、PECF・MECFであれば手術跡をあまり目立たせずに対応してもらえるでしょう。

手術のデメリット

どんなヘルニアにも対応している訳ではない

PECF・MECFは1cmに満たない穴を開け、そこからヘルニアを取り除くという手法です。だからこそ、傷跡が小さかったリ痛みを抑えられたりなどのメリットがありますが、全てのヘルニアに対応できるわけではありません。小さな穴からでも十分に取り除くことができるヘルニアであれば手術を行えますが、ヘルニアの形状や大きさ次第ではPECF・MECF以外の手法で対応してもらう必要があるでしょう。

医師の技術力にかかっている

PECF・MECFは小さな切開範囲で対応手術のため、医師の技術力によって結果が左右されやすいとされます。高度な技術が求められる手術なので、担当する医師の実績が重要です。PECF・MECFを受けたい場合は、まず実績が豊富な医師を探してみましょう。

また、技術力が求められる治療なので、PECF・MECFを行っている病院が限られているのも難点です。LOVE法のように、さまざまな整形外科で行われている治療ではありません。PECF・MECFを受けたいと思っても、治療を行っている病院を探してそこに通えるか計画を立てる必要があります。

PECF・MECFを受ける場合はまずはどの病院で治療が行われているのか、手術を担当する医師は信頼できるのかを確認したうえで治療するかを決めましょう。実際に病院に足を運び、直接相談してみて信頼できる医師か判断することのも1つの方法です。

費用の目安

内視鏡摘出手術治療の費用

内視鏡摘出手術の費用は、手術する箇所によって大きく異なります。一般的には25万円~85万円の間のようです。

内視鏡摘出手術治療の入院費用

気になる内視鏡摘出手術の入院費用は、椎間板ヘルニアが1か所であれば、保険適用で約25万円、入院日数は4日が平均と言われていますが。仮に14日に入院日数が伸びた場合約85万円になります。

内視鏡摘出手術治療の保険適用と費用

内視鏡摘出手術は、健康保険が適用される手術です。健康保険が適用されると、入院日数4~7日で約25万円、10日~14日だと約85万円になります。

治療を受け人の口コミ

手術を受ける際の注意点

内視鏡手術を受ける際には、手術件数、成功事例などを明確に提示されているかの確認が必要です。

日本整形外科学会の技術認定医は認定基準が非常に厳しいため、資格を持っていれば技術的には問題ないと思って良いでしょう。