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【手術】PLDDレーザー治療

ここでは、頚椎椎間板ヘルニアの治療で近年注目を浴びているPLDD法について紹介しています。

PLDDレーザー治療とは

PLDDはレーザーを使った「切らない」頚椎椎間板ヘルニアの手術治療です。新しい治療のひとつで、椎間板にレーザーファイバーを刺して、神経を圧迫している椎間板の髄核部分にレーザーを照射。そうすることで、神経を圧迫している椎間板を取り除き、痛みなどの症状を緩和させる方法です。レーザーの照射時間はわずか5分程度で、手術後はその日のうちに帰宅ができます。PLDDは「Percutaneous Laser Disk Decompression」の頭文字を取ったもので、日本では「経皮的レーザー椎間板減圧術」という名称でも呼ばれています。

PLDDレーザー治療の特徴

PLDDレーザー治療の特徴を4つご紹介します。

切開しない

従来の手術と違い切開をする必要がありません。レーザーが入る小さな穴をあけるだけなので傷跡も残らず、出血もほぼありません。

局所麻酔で施術する

こちらも従来の手術と違い、局所麻酔での施術が可能になっています。局所麻酔での手術が可能になったことにより患者にかかる負担がかなり減ります。

手術時間の短さ

局所麻酔でレーザーを照射するだけなので10~15分ほどで手術が完了します。従来の手術では1~2時間ほどかかっていたのでぐっと手術時間が短縮されました。

高度な腕が必要

医師には「どの程度レーザーを照射すればいいのか」「どの部分に針を刺して照射するのか」などの的確な判断と高い技術が求められています。日本におけるヘルニア治療でPLDDを取り扱っている腰痛医はまだ少ないのが現状なのでクリニック選びが重要になります。

PLDDレーザー治療のメリット

手術方法なのに体への負担が最小限ですむ

従来の頚椎椎間板ヘルニアの手術は、かなり大がかりな手術となり、メスを入れる範囲も広範囲なものになっていました。しかし、PLDDは、頚椎に挿入するレーザーを入れるための最小限の傷で済むため、体への負担が少ないのがメリット。手術を受けてから日帰りで帰ることもできます。

高齢者や高血圧、糖尿病患者も受けることができる

PLDDは、糖尿病や高血圧といった全身疾患を抱えている人でも受けることのできる手術です。一般的に外科的な体への手術は負担が大きく、高齢者や高血圧の方は受けることができません。しかし、PLDDであれば手術の負担が最小限なので受けられることがほとんど。今までヘルニアの痛みがなくなるまで耐えるしかなかった人たちでも、すぐに症状を解消できる画期的な治療です。

PLDDレーザー治療のデメリット

健康保険の適用がなく自費診療になってしまう

PLDDは健康保険の適用になりません。そのため自費診療となってしまい、治療費が高額になってしまうことが多いようです。また、自費診療となるため受けるクリニックによっては治療費用の差がものすごく出てしまうこともあります。クリニック選びは慎重に行なう必要があるでしょう。

重度のヘルニアには効果がない

重度のヘルニアの場合、PLDDの手術を行なっても効果はありません。そのため重度のヘルニア治療には切開手術など、ほかの治療法を検討することになります。

治療について

具体的な手術方法は、局所麻酔下、皮膚の上から直径1mmほどの椎間板針をレントゲン透視下で椎間板そのものに刺し、その中にレーザーファイバーを挿入してレーザー照射を行います。よく行われているのは椎間板中央部への照射ですが、病巣は中央ではなく後方部の神経周辺なので膨隆部そのものに照射を行う場合もあります。その後、椎間板の亀裂部から水を流出させることで神経と癒着している部分を剥離し同時に硬膜外疼痛物質も洗浄します。

治療期間

照射時間はわずか5分程度。術後は1時間ほど安静が必要になりますが、その後帰宅でき、翌日からシャワーも仕事も可能です。

期待できる効果

レーザーを照射することで椎間板の中に小さな空洞を作り、椎間板の圧力を弱めることで空洞に飛び出ていたヘルニアが引っ込み、痛みやしびれといったヘルニアの症状が改善します。

どんな人に向いているか

保存的療法で効果のない軽度~中度の椎間板ヘルニアの方です。

PLDDレーザー治療の治療の流れ

  1. 医師による診察を受け、医師とカウンセリングをして治療の適用があるかどうかを確認します。医師に今の状態を話し、しっかりとすり合わせることが大切です。PLDDには保険の適用がないので、料金面もきちんと話し合いましょう。
  2. 手術前にMRIやCT検査といった画像診断を受けます。手術時間は短く、メスを使わないので傷口が残ることもありません。PLDDは、手術を受けた後そのまま帰宅することもできます。日帰りでの手術が可能なため、忙しくて手術を受ける時間がない人でも手術を受けることができます。
  3. 手術直後は数時間ほどの安静が必要になりますが、その後はその日のうちに帰宅することもできます。そして、翌日からはシャワーや仕事も問題なく行うことができます。PLDDを受けた後、効果が出るまでの期間には個人差があります。手術後数時間で効果を実感する場合もあれば、数日や数カ月を要する場合もあるそうです。効果については手術前に、しっかりと医師に確認・相談をすることをおすすめします。

費用の目安

1.PLDD治療レーザー治療の費用

PLDD治療の費用は1ヵ所50万円前後。複数の個所にヘルニアを持っている場合は、50~100万円と通院するクリニックによって値段が違います。

2.PLDD治療レーザー治療の入院費用

PLDD治療は基本的に入院する必要はありません。ですが、希望する人は一泊二日で入院することができます。

3.PLDDレーザー治療の保険適用

PLDDレーザー治療は、健康保険が適用されませんが、入院の必要がありません。

PLDD治療レーザー治療、他と費用を比較

※PLDD治療は全額自費による負担です。

治療を受けた人の口コミ

切開手術とPLDDとの違い

切開手術 PLDD
手術時間 1~2時間 15分程度
麻酔の種類 全身麻酔 局所麻酔
術後の安静時間 1週間 1時間
入院期間 1ヶ月 即日退院可能
術後の経過 リハビリ必要 リハビリ不要(症状によって必要)

切開手術とPLDDでは、ヘルニアの治療のために皮膚を切開する範囲が異なることから、手術中の麻酔の方法や手術時間なども大きく異なります。

切開手術では、切開範囲が広くなるために全身麻酔による手術を行い、手術時間は1~2時間ほど、術後の安静時間も1週間程度が一般的です。

一方、PLDDは切開範囲が少ないので、局所麻酔による手術が行える上、手術時間も15~20分程度と、短時間で済みます。また、安静時間は人にもよりますが、短い人では1時間程度で、その後は即日退院する日帰り手術も可能です。

尚、PLDDは比較的軽~中等度度の患者に対して行われる手術であるため、術後のリハビリも基本的には不要とされています。ただし、術前の症状や患者の体質によっては、リハビリが必要になる場合もあるので、事前にしっかりと主治医へ確認するようにしましょう。

PLDDと切開手術の施術後の流れ

切開手術の場合

切開手術を受けた後は、医師や看護師の管理下で1~2時間程度の安静が続けられます。また、覚醒後も、手術部位を曲げたり捻ったりという動作をしないように注意しながら、およそ1週間程度の安静期間が必要です。

PLDDの場合

PLDDでは、15分程度の手術を受けた後、およそ1時間程度の安静が必要です。しかし、その後は体調に問題がなく、主治医の許可が下りれば、即日退院をすることもできます。

安静期間や仕事復帰まで

切開手術の場合

切開手術を受けた後は、1週間程度の安静期間中、患部を曲げたりひねったりという動きをしないよう、注意しなければなりません。シャワーは術後2~3日程度で許可されますが、体に無理をさせないように気をつけて下さい。

入院期間は少なくとも約1ヶ月程度、さらにリハビリも必要です。尚、リハビリは退院後も通院して必要となることが多いでしょう。

仕事への復帰は、体に負担がかからない範囲で徐々に始められますが、術前に歩行障害など重い症状があった場合は、リハビリ期間が長引くこともあり、それに比例して復帰までの期間も長くなってしまいます。

PLDDの場合

PLDDは日帰り手術が可能なので、日常生活へ復帰するまでの期間も、切開手術と比較すると格段に短くなります。

シャワーは手術の翌日から、入浴は2日後から可能とされていますが、主治医の指示に従うようにして下さい。

仕事への復帰は、デスクワークなど体に負担がかかりにくいものであれば、およそ術後3日で復帰できるとされています。ただし、体を使うような仕事の場合、症状や患者の体調によって復帰までの期間が異なるので、具体的な時期に関しては主治医としっかり相談するようにしましょう。また、リハビリは基本的に不要ですが、術前の状態によっては必要なケースもあり、それについても確認しておくことが必要です。

クリニック選びの指標

最近ではPLDDを導入するクリニックが増えてきましたが、必ずしも良心的な治療を行うクリニックとは限りません。

最新の医療機器を使用しているか、治療経験が豊富か、治療件数を公式サイトなどで公表しているかなどを確認し、適応範囲や費用を明確にしている医院を選ぶようにしましょう。

注意すべきは、旧式のレーザーを使用している(神経損傷や椎間板炎を起こす恐れがある)、治療費用が安すぎる、宣伝色が強い、治療経験に乏しい、適応範囲や費用を明記していないクリニック。

PLDDの治療で起きやすいトラブルは金銭面です。頚椎部位へのレーザー治療は技術料がかかり割高になるケースが多いので、事前に確認することをおすすめします。

※参照元サイト