【保存的療法】温熱療法
ここでは、頚椎椎間板ヘルニアの保存治療で行われる温熱療法の内容や効果についてまとめています。
温熱療法とは
温熱療法は物理療法と呼ばれる方法に含まれる治療です。体の部位にホットパックや温湿布を患部にあてる方法や入浴で体を温める方法などがあげられます。体を温め、血液の流れを良くして筋肉の緊張をほぐすことで、患部の痛みやしびれを緩和させるのです。また頚椎椎間板ヘルニアだけでなく五十肩や捻挫にも効果があります。繰り返し行なうことで効果が高まるようです。
頚椎椎間板ヘルニアは人によって痛みが発生する場所が異なる病気。首が痛いという人もいれば、背中の痛みや肩こりを訴える人などがいます。このような体の痛みは、患部を温めることにより改善することがあるそうです。そのため、温熱療法による治療が行われます。場合によっては、マッサージや電気療法などと組み合わせて行う場合も。ただし、症状によっては逆効果になるので要注意。温熱療法で症状が悪化したという人は、すぐに治療を止めて別の方法を探しましょう。
また、症状が悪化していると温熱利用法だけでは改善さできれないケースもあります。その場合は一度医師に相談してみてください。特に日常生活に支障をきたすほどの症状が出ている場合は、早めの相談をおすすめします。
温熱療法のメリット
メスを入れる治療ではないため体への負担が軽い
温熱療法は昔から行われている治療で、患部を温めることで血行の流れを促進したり、代謝をアップさせたりする方法です。メスを入れる方法ではないため、体への負担は最小限で済みます。さらに、比較的すぐに効果が実感できる治療法です。
家でも気軽に行なうことができる治療
患部に「温めたタオルをあてる」「温湿布をあてる」という方法でも行えるので、家でも気軽に治療ができます。また、この療法は温めることにより、筋肉の緊張をほぐす効果もあります。そのため、痛みが筋肉の緊張により起こっている場合には、すぐに効果を実感できます。自分のヘルニアの症状に温熱療法が向いているのかどうかは「入浴時に体を温めた時、症状が軽くなった」といった点で判断できます。
温熱療法のデメリット
体の表面だけしか効果が期待できない
10分間温熱療法を行うと皮膚表面温度は10度ほど上昇します。しかし、体の深度1cmにもなると15分で2度ほどしか上昇しません。表皮から2cmになれば 30分経ってもほとんど変化はないそうです。温められている部位の表面の血行を促進する効果はありますが、体の奥深くの痛みを緩和したい時などは、温熱療法はほとんど効果がないようです。
熱傷と低温ヤケドの可能性あり
患部を温めることで血液の流れを促進し、代謝をアップさせる効果がある反面、熱を与えすぎてしまうと熱傷や低温やけどの可能性が高まります。温熱療法を行なっている体の部位に少しでも「熱い、痛い、ヒリヒリとした刺激がある」という方は、すぐに治療を中断しましょう。
温熱療法の治療の流れ
- 医師による診断を受けます。温熱療法を受けると症状が悪化してしまう人がいます。患部に傷がある人、血液やリンパ腫の疾患を抱えている人は、患部を温めることで炎症が悪化してしまう可能性があるため、治療は受けられません。
- 病院ではホットパックやマイクロ波を使う方法で患部を温めます。医師や理学療法士が治療を担当し、様子を見ながら治療を行い、ヘルニアの痛みを緩和します。家で温熱療法をする場合には、患部の痛みや異変に気をつけて行います。
- ヘルニアは一度なってしまうと再発しやすい疾患でもあります。温熱療法で治療を終えたあとは、他の保存療法などを続けていき、再発を防ぐための対策を行う必要があります。温熱療法はあくまでも痛みを緩和させつつ、その間に人間の持つ自然治癒力により、痛みを回復させることができる治療法なのです。
ホットパックの場合
パックを使用する場合、約80度まで温めたパックをタオルで包みます。患部へ直に当てるとやけどする恐れがあるので、必ずタオルで包んで使用するのが一般的です。包んだら患部へ当てていきます。治療方法によっては、腰痛に効果があるとされる冷湿布と併用することもあるそうです。
これは自宅でもできる方法ですが、パックだと体の深部まで温めるのが難しいというデメリットがあります。患部に炎症がある場合は、痛みを悪化させる恐れもあるので要注意。温熱療法をやってみて痛みが悪化したと感じたら、安静療法や薬物療法など別の治療に変更しましょう。
マイクロ波の場合
マイクロ波による治療の場合は、専用の機器を使用します。機器に付いたアンテナから電磁波を放出。それを患部へ向かって当てることで温めます。血管の拡張や新陳代謝を促し、頚椎椎間板ヘルニアによって起こる関節の痛みを緩和。電磁波の強さを調整できるので、患者の状態に合わせた強度で治療が可能です。ただし、強すぎると皮膚の奥がやけどする可能性があります。もしマイクロ波で治療を受ける際は、弱めの照射から始めてもらうようにしてください。
入浴
ホットパックやマイクロ波以外の温熱療法として、入浴があります。
- 家でもできる入浴での温熱療法。ただし、症状によって入浴できるかどうかが変わるので、まずは医師に相談しましょう。特に頚椎椎間板ヘルニアの場合、安静にしていたほうが良いことがあります。入浴して症状が悪化したと感じるなら、入浴を止めて他の治療法を探すことをおすすめします。
- 診療で入浴しても問題ないと判断されたら、40度前後のお湯を張って15~20分ほど浸かってください。お湯が熱いと感じる場合は、低めの温度で入浴します。それから徐々に温度を上げ、熱さに慣れていくと良いでしょう。血行促進に効果がある炭酸ガスやアロマなどの入浴剤を入れるのもおすすめです。ただし、長時間の入浴は炎症を起こす可能性があるので、入浴時間は必ず守ってください。
- 入浴が終わったら、安静にしておくのがおすすめです。無理にストレッチを行うと、症状を悪化させてしまう可能性があります。入浴後に症状が悪化した場合は、すみやかに医師へ相談してください。
- 痛みがひどく入浴が難しい方は、足湯を試してみましょう。足湯だけでも血行促進効果があるうえ、睡眠の質が良くなります。
治療を受けた人の口コミ
- 頚椎椎間板ヘルニアになってから、仕事に支障が出るくらいの痛みが続いています。今も週1回のペースで電気治療や温熱治療で治療中です。通院せずにいるとまた痛み出しますが、治療後に痛みはなくなります。(57歳・男性)
- 1週間に数回、温熱療法や低周波などの治療を受けています。ただ、治療を受けても背中の痛みがほとんど取れません。腕のしびれも続いており、何度も通っていると金額的負担も大きくなるので不安です。(女性)
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費用の目安
保険が適用されるため比較的安価ですが保険適用されない整体やカイロプラクティックで骨の矯正も併用することがあるため、どのような治療をどこで行うかによって費用は色々です。