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決定版!頚椎椎間板ヘルニア治療徹底ガイド » 頚椎椎間板ヘルニアの治療方法

頚椎椎間板ヘルニアの治療方法

頚椎椎間板ヘルニアの治療法はさまざまですが、大きく分けると保存療法と手術療法の2つがあります。症状や痛みの具合によって適した治療を行うことになりますが、いずれにせよ、数多くの症例にあたってきた医師による診察を受けるかどうかがもっとも大切なことです。

このカテゴリでは代表的な治療法を紹介しますので、知識を身に付けた上で、医師選びの参考になさって下さい。

治療方法の種類

頚椎椎間板ヘルニアの治療は一般的には、まず保存療法で1~3ヶ月ほどの期間を目安に経過を見て、改善されない場合は手術なども検討することになります。また、症状によってはすぐに手術が必要になる場合があることもあります。

保存療法は痛みや症状の緩和を目的として行われる治療で、安静治療、姿勢矯正、薬物療法、ブロック注射、理学療法、生活改善などがあります。手術の方法は、従来から行われている切開手術、最少侵襲の内視鏡レーザー、PLDDレーザー照射などさまざまです。

症状によって最適な治療法は異なる

頚椎椎間板ヘルニアの治療を受ける場合には「どの治療が優れている」ということはなく、患者さんの症状や生活スタイルなどによって最適な治療は異なってきます。比較的症状が軽く、できるだけ速やかに痛みを取りたいと言う場合はPLDD(経皮的レーザー椎間板減圧術)がおすすめです。身体へのダメージが極めて少なく、日帰りできるので入院の必要がなく、術後すぐに普段の生活ができる、時間的負担、身体的負担、精神的負担を軽減することができます。

保存的療法の種類

保存的療法は身体への負担と拘束時間が抑えられる治療法であることがメリットにあげられますが、治療を受ける病院によってはなかなか症状が改善しない場合もあります。

安静治療

安静療法は頚椎椎間板ヘルニアになってしまった方のほとんどが選択している治療法です。頚椎カラーというコルセットのような器具で首を固定し、患部を安静にして治療を行ないます。椎間板ヘルニアは骨の間でクッションの役割を果たす椎間板がつぶれて、髄核(ずいかく)が外側に飛び出している状態です。この髄核が神経を圧迫・刺激することが痛みの原因になります。髄核が飛び出してしまっても、免疫細胞の働きで徐々に小さくなるため、患部を安静にすることで改善可能です。症状にもよりますが、頚椎椎間板ヘルニアになった方のほとんどは手術せずに安静療法で治療し、痛みを解消できています。

手術のように体への負担がないため、後遺症や合併症を引き起こすおそれがありません。また、薬物療法の場合、副作用により消化器症や下痢、肝機能障害の心配がないというメリットがあります。ただし、治療期間が最短でも3~4カ月程度と長くなる傾向にあり、症状が悪化することも。改善の兆しが見られない場合は、手術治療に移行しなければならないのがデメリットです。ここでは、治療の流れや費用の目安なども載せていますので、安静療法について知りたいという方はぜひ役立ててください。

頚椎椎間板ヘルニアの安静治療についてもっと見る

姿勢矯正

姿勢矯正は整骨院や接骨院、整体院で行なわれている頚椎椎間板ヘルニアの保存治療です。首の正常な湾曲(S字状カーブ)を回復させることを目的に治療を行ないます。一人ひとりの症状や体のコンディションに合わせて体の歪みを矯正。ヘルニアを引き起こす悪い姿勢にアプローチすることで根本的な原因を解消することで、再発のリスクを軽減できます。手術療法や薬物療法と違い、副作用の心配もありません。それだけでなく、姿勢矯正をすることで基礎代謝を向上させ、肩こりや筋肉痛の改善も促してくれます。正しい姿勢を維持することで、相乗的に健康効果を得られるのがメリットです。

しかし、矯正の方法を間違えるとヘルニアの症状をさらに悪化させてしまいます。失敗しないためには、医師や整体師の指導の下で行なわなければなりません。また、軽度~中度の症状には有効ですが、重度の場合は効果が期待できないのも覚えておきましょう。無理に矯正しようとすると、症状を悪化させてしまう可能性もあるので、気を付けてください。ここでは、姿勢矯正のメリット・デメリットをはじめ、治療の流れや姿勢矯正治療を受けた方の口コミ、費用の目安をまとめていますので、ぜひご覧ください。

頚椎椎間板ヘルニアの姿勢矯正についてもっと見る

薬物療法

薬物療法は、薬を服用することで神経の炎症や、痛みを効果的に抑えられる治療方法です。手術を受けない場合の代表的な保存治療法のひとつ。治療を受けた多くの患者は、薬物療法をしている間に自然と頚椎椎間板ヘルニアの症状が改善されているようです。使用されることの多い薬は、非ステロイド性炎鎮痛薬・筋弛緩薬・オピオイド鎮痛薬・神経性疼痛緩和薬などが挙げられます。効果的な薬ほど副作用が強く、眠気や吐き気などを引き起こしやすくなるので、服用には注意が必要です。薬物治療を開始して数カ月経っても改善されなければ、手術やブロック注射などの治療を受ける場合もあります。

薬物療法の最大のメリットは、つらい痛みを効果的に緩和できることです。痛みが強いと日常生活にも支障がでるため、痛みを効果的に抑えてくれるのは助かるでしょう。また、慢性的な痛みを緩和してくれる鎮痛薬・緩和薬もあります。健康保険も適用されるので、治療費を抑えられるのも魅力です。ここでは、その他のメリット・デメリットをまとめています。治療の流れや口コミとあわせて確認してみてください。

頚椎椎間板ヘルニアの薬物療法についてもっと見る

ブロック注射

ブロック注射は薬物療法で抑えられない激しい痛みを伴う場合にピンポイントで患部に麻酔薬を注射する治療。整形外科や麻酔科、ペインクリニックで施術を受けられます。注射してすぐに効果が現れるのが特徴で、治療を受けた日に帰宅できます。神経ブロック注射は事前の画像診断を行なうことで、症状の進行度合いにより注射できるかを確認。また、頚椎椎間板ヘルニアの症状や注射の種類によっては、初診で受けられます。すぐに治療を受けたい方は医師に相談するとよいでしょう。

また、健康保険が適用されるので、医療費の3割負担で治療を受けられるのもメリットです。1万以下の治療費で受けられる場合もありますが、初診料や再診料、レントゲン検査料など、検査項目で料金が異なるので、事前に確認することをおすすめします。デメリットは、発症頻度は低いものの合併症や副作用のリスクがあること。注射時に痛みを伴いますが、クリニックによっては麻酔を行なってから治療してくれるところもあります。ここでは、治療を受ける前にやるべきことや、すぐに受けられる治療かを解説しています。ブロック注射を受けたい方は、チェックしておくのがおすすめです。

頚椎椎間板ヘルニアのブロック注射についてもっと見る

生活改善

生活改善は、「姿勢を正しくする」「首に負担をかけないようにする」「適度に運動をする」などを普段の生活から気を付けることで、頚椎椎間板ヘルニアの治療・予防を行なう方法です。頚椎椎間板ヘルニアの原因として考えられるのは、悪い姿勢により首に負担がかかること。ヘルニアの症状を引き起こさせないようにして再発を防ぐためには、姿勢を正す・首や肩甲骨を動かす・適度な運動をすることが大切。無理に重たい物を持たないことや、荷物を運ぶ際はリュックやキャリーバッグなどを使用してください。PC作業時は画面から顔を50~60センチほど離した距離を意識し、首の負担のかからない姿勢を保つ必要があります。

また、生活改善を行なうことでヘルニアだけでなく、他の頚椎に関する症状を軽減可能です。姿勢を意識するだけなので、生活に取り入れやすいのも魅力。頚椎椎間板ヘルニアにならないためにも、普段の生活に取り入れてください。とはいえ、症状が重度になっている場合は改善が期待できませんし、日々の生活に簡単に取り入れられますが、日頃から意識するのが難しいものです。ここでは、生活改善の具体的な方法をはじめ、スマホやパソコンを使う際の注意点なども詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

頚椎椎間板ヘルニアの生活改善についてもっと見る

理学療法も保存的療法の1つ

整体などで行われる理学療法も頚椎椎間板ヘルニアの保存的療法の1つです。

温熱療法

温熱療法は、物理療法に分類される治療方法です。痛む部分にホットパックや温湿布をあてる方法や、入浴で体全体を温める方法などがあげられます。温めることで血液の流れを良くし、筋肉の緊張を緩和して患部の痛みやしびれを緩和していきます。頚椎椎間板ヘルニアをはじめ、五十肩や捻挫にも効果的。治療を繰り返し行なうことで、効果が高まるという特徴があります。温熱療法は傷つけることのない治療なので、体への負担を抑えることが可能です。筋肉の緊張から痛みが出ているときに有効な治療法で、目安として入浴時に痛みが緩和できていれば効果があるといえます。患部を温めることで、新陳代謝を活性化させる効果にも期待できるでしょう。

しかし、温熱療法は体の表面しか温められないので、体の奥の痛みは緩和できません。長時間放置すると低温ヤケドを引き起こしてしまう可能性も考えられます。異変がある場合は、すぐに治療を中止してください。安全に治療を行なうためにも、医師や整体師に相談したうえで指導のもと行なうことをおすすめします。温熱療法は病院でも受けられる治療法です。ここでは、病院で治療を受ける場合の流れや費用の目安もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

頚椎椎間板ヘルニアの温熱療法についてもっと見る

牽引療法

牽引療法は理学療法に分類される治療法で、専用の機器を使用して首を伸ばす運動を繰り返す治療法。1日に2~3回程度、10分ほど繰り返して治療を行ないます。ヘルニアの初期症状の痛みやしびれ、倦怠感などの症状がある方に効果的です。頚椎椎間板ヘルニアの疑いがある場合、MRIの画像診断を行ないます。診断結果から椎間板が定位置より少しズレている場合は、牽引療法を受けると症状が回復傾向に進むことが多いのだそう。また、手術療法や薬物療法と違って体にあまり負担がかからないので、体力のない高齢者や、できるだけリスクを避けたい方にすすめられています。

強制的に筋肉や骨を動かす治療法ですが、理学療法士や医師の指導のもと正しい方法で行なえば効果や安全性の高い治療です。また、筋肉の緊張がほぐれて血液が循環するので、自然治癒力を高めることにも繋がります。しかし、医師の診断により施術を受けられないケースや、急性期の頚椎椎間板ヘルニアには効果が出ないことも。ここでは、メリット・デメリットだけでなく、治療の流れや費用の目安、牽引療法を受けた方の口コミもまとめました。すべての項目を踏まえて、治療を受けるときに役立ててください。

頚椎椎間板ヘルニアの牽引療法についてもっと見る

運動療法

運動療法は手術を行なわない保存療法のひとつです。自宅でも簡単にできる治療できることから、多くの頚椎椎間板ヘルニアの方が取り入れています。とくに軽度の症状なら運動療法で簡単に治療可能です。強い痛みのでる急性期を過ぎたタイミングで運動療法を実施。首の筋肉と骨の状態を強化するストレッチを行なうことで、痛みを和らげます。治療を行なうと同時に、頚椎椎間板ヘルニアの再発防止にも効果的な治療です。ストレッチは毎日行なうことが望ましいとされており、継続することが重要だといえます。

ヘルニアの予防をはじめ、再発防止や痛みの軽減にも効果的な運動療法ですが、首の痛みが強い場合は逆効果になるので、ストレッチや首を動かす動作はできません。頚椎椎間板ヘルニアと診断された場合は、基本的に安静治療が必要です。首の痛みを無理に解消しようとして首を動かしてしまうと、症状が悪化することも。とくに気を付けたいのは、「首を後ろにそらせるような動作」です。また、中度以上の頚椎椎間板ヘルニアと診断された場合もストレッチは厳禁。やり方を間違えてしまうと、ヘルニアがさらに悪化します。ここでは、運動療法について正しい治療の流れや注意点、運動療法を受けた方の口コミを紹介していますので、しっかりと確認してヘルニア改善に活用してみてください。

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手術の種類

頚椎椎間板ヘルニアの手術というと以前は切開手術がメインでしたが合併症を引き起こす恐れがあることから近年ではレーザーによる手術が多く行われるようになっています。レーザーによる手術は痛みが少なく、傷跡も小さく、術後すぐに普段の生活ができる低侵襲手術であるというメリットがあります。

PLDDレーザー治療

PLDDとは、レーザーを使用して行なう「切らない」頚椎椎間板ヘルニアの手術治療です。「Percutaneous Laser Disk Decompression」の頭文字を取って名付けられており、日本では「経皮的レーザー椎間板減圧術」という名称でも呼ばれます。最新の治療法のひとつで、椎間板にレーザーファイバーを挿入し、神経を圧迫している椎間板の髄核(ずいかく)部分にレーザーを照射。神経を圧迫している椎間板を取り除くことで、痛みの症状を緩和します。レーザーの照射時間は、5分程度で手術後はそのまま帰宅できます。

メスを使用せず、最小限の傷口で済むので体への負担が少ないというメリットがあります。体力の少ない高齢者をはじめ、高血圧や糖尿病などの持病を持つ方でも治療を受けられるのが特徴。ただし、健康保険が適用されないため、自費診療なってしまいます。治療費が高額になるのが難点で、クリニックによって治療費が大幅になるため見極めが必要です。また、重度のヘルニアには効果が見込めないとのこと。状態によっては切開手術といった治療法を選択する必要があります。こちらでは、治療期間や治療の流れ、クリニック選び方なども解説しているので、PLDDレーザー治療を考えている方は参考にしてください。

頚椎椎間板ヘルニアのPLDDについてもっと見る

内視鏡摘出手術

首に内視鏡レーザーを挿入し、神経を圧迫しているヘルニア部分を除去するのが内視鏡摘出手術治療。「PECD(Percutaneous Endoscopic Cervical Discectomy)」とも呼ばれ、日本では「経皮的内視鏡下頚椎椎間板ヘルニア摘出術」とも呼ばれる手術です。中度~重度のヘルニアに効果がある手術で、数ミリ単位の切開で治療可能。従来の切開手術とは違い、抜糸の必要もなく傷口の治癒に時間がかかりませんし、傷口が小さいことで感染症の心配も抑えられます。大部分の椎間板組織を保存しながら治療するので、体への負担を最小限にとどめてくれます。

内視鏡摘出手術治療は、食道や気道など体の中でも重要な部位にかかわる手術です。治療結果は医師の腕に左右されるので、クリニック選びや担当医選びがなによりも重要になってきます。手術件数や成功事例などが明確に提示されているかを確認してください。また、健康保険適用外になるため、自費治療になり治療費が高額になります。クリニックによって治療費に差があるため、治療を受ける際は、そのあたりも見極める必要があるでしょう。ここでは、メリット・デメリットの解説をはじめ、治療の流れや手術を受ける際の注意点、内視鏡摘出手術治療を受けた方の口コミなどをまとめています。

頚椎椎間板ヘルニアの内視鏡摘出手術についてもっと見る

切開手術

切開手術は、首を切開し神経を圧迫している椎間板部分を取り除いて、頚椎を正しい位置に固定する手術。切開する場所によって施術の方法と名称が違うのが特徴です。2種類の切開方法があり、前から切開する場合は「前方除圧固定術」、後から切開する場合は「後方除圧固定術」です。ヘルニアが起こっている位置や症状によって切開する部位が変わります。昔から行なわれている手術で、症例数が豊富で技術が確立されているので、比較的安全性の高い手術です。ヘルニアの症状の悪化や進行を防ぐことができますし、保険診療が適用されるので費用を抑えられるというメリットもあります。

しかし、長期の入院が必要で、合併症を引き起こしてしまう可能性があるのがデメリット。ヘルニア部分を取り除いたあとは、患部を固定するために金属製のネジで固定しなければなりません。そのうえ、人工骨または自分の骨を移植する必要もあります。頚椎椎間板ヘルニアを効果的に治せる治療法ですが、体への負担も大きい手術です。ここでは、頚椎椎間板ヘルニアの切開手術のメリット・デメリットや治療の流れ、手術の種類を詳しく解説しています。切開施術が選択される理由や、どんな人に向いているかなどもまとめているので、ヘルニアの治療として切開手術を考えている方は必見です。

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